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夢跡†(14)

[434] つる 2011-02-18投稿

話しかけるべきか、否か。

用事があるから急いで帰ると言った浦田と別れ、下足場を出た神田は懸命に生徒に訊ねている、立木を発見した。



(仲が良いってわけでもないし…、昨日の今日で親しげに話しかけてもいいのか?)


少し悩んだが、結局声をかけることにした。


「た、たちっきぃ!」


(か、噛んだ…。恥ずかしい…)


そんな噛んだ…神田の内心を知らず、気がついた旭は手を振って近づいてきた。

「神田くんこんにちはーっ」


ビキッ。


何だか周りの視線が痛いような気がする。


(…気のせいだろ。多分)


神田からも近づき、普通に話せる距離で足を止める。

「どうしたの?何か用事?」


「いや用ってわけじゃないけど。はかどってるかなって。…自殺志願者の情報集ってるんだろ?」


旭の笑顔が少し陰った。


「うん…。でもあの時間に屋上を見た人が居なくて…。もしかしたら私と神田くんだけなのかも」


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