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(仮)永遠の絆…最後の愛…22

[312] 月の狼 2011-02-22投稿
21.

大賀根 望代はショックを受けていた。
香 から電話で 丈 が亡くなった事を伝えられたからだ。
お互いに面識はないものの 丈 から、お互いに話しを聞いていたのだ。
香 は轟刑部達が帰った後、 丈 の部屋でずっと泣いていたのだ。
どのくらい泣いていたのか時間も分からないぐらい泣いていた。
気が付いて時計を見た時には夜中になっていた。
夜中でも関係なく望代に電話していたのだ。
丈 から何かあった時には望代に相談すれば必ず力になって貰えるからって言われていたのだ。
普段の 香 なら夜中に電話する事なんて有り得ないのだが、気が動転していたのか訳が分からない状態になっていたのだ。
香 と望代は電話で話すのも初めてだったが、 香 の話しを聞いた時に普段は何事にも動揺しない望代ですら 丈 の死には大きなショックがあった。
どのくらい沈黙が続いたのか分からないぐらい時間は過ぎていた。
ただ 香 の啜り泣く声だけが受話器から響いていた。
やがて 香 は小さな声で望代に話し始めた。
「 丈 は自殺ではなく殺された」と。
再び望代は衝撃的なショックを受けて気が動転した。
望代は 丈 が病気で亡くなったものだと思っていたのだ。
望代も 丈 の病気の事は知っていたから、いずれ、この日が来ると思ってはいたが、「自殺ではなく殺された」と聞かされた時は全く想定外の事だった。

望代「香さん、もう一度、話して欲しいんだけど今、何て言ったの!?」

香「はい、 丈 は病気でした…癌でした…生きていられるのも一年未満だったのです…しかし 丈 は亡くなりました…私と救急隊員が部屋に駆け付けた時には 丈 は包丁を胸に刺さった状態でした…救急隊員が警察に連絡をして現場検証をした結果、 丈 は自殺と断定されました…遺書があった事が自殺と判断されました…しかし私には納得が行きません。 丈 は自殺ではなく殺されたのです。」

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