ハニー!!
隣の女子、田中さん。
不思議な存在だ。
「…♪」
絵を描きながら
ひとりで笑ってる…。
いや、てゆーか何だあの絵は!
絵なのか?!
ただのオッサンのような…。
そんな世界が田中さんの
紙の上に広がっている。
友達いねーのかな…?
「あ!かわいー!!」
「なになに?
また描いてんの?かわいー。」
かと思えば、
田中さんの机の周りは
いつもいろんな奴で溢れてる。
友達がいないわけでは…
ないらしい。
つか、女子の絵の趣味が
わかんねぇ!!!!!
「…つまり織田信長は
野望を…」
…あ、やべ。
次、俺のターンなのに
教科書忘れちった★
…じゃなくて真面目にやべぇ。
右をみると、欠席。
前をみると、就寝中。
左をみると、田中さん。
後ろを向けば奴はいなくて壁。
…。
「あ、あの田中さん?」
田中さんは、
頬杖をついた顔で
めんどくさそうに
「ん?」
それだけ。
いや、普通の反応なのか?
「俺さぁ…」
「あぁ、はいはい。」
そう言うと、田中さんは
教科書を差し出してきた。
「はい。」
田中さんは、
もう1度そう言うと
俺に教科書を渡して
少し恥ずかしそうに
絵を描き始める。
なんで…
「オイ、寝てる奴とばして
次読めー。」
先生の言葉に、
あわてて俺は
田中さんから借りた教科書を、
教科書を…。
「は…?」
教科書の偉人たちは
別の何かに描き変えられ、
読むべきはずの文字の上には
まるでわけのわからない生物が
ところせましと描かれていた。
その後、なぜか俺は
「どうして教科書に
落書きをしたのか」と
先生に怒られ、
田中さんに
とりあえず「ありがとう」
と言って教科書を
返したのだった。
隣の女子は
不思議な存在だ。
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