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Kiss me!*23

[370] 玲唯 2011-03-05投稿


「ユキ、どーしたの?」


 何で追いかけてきたの?


 心配なんかしないで。


「放して!」


 私はケイタの腕を振り切って、ケイタに向き合い睨みつけた。


「私、あんたのこと大嫌いだから! 自己中で自分勝手で気分屋で、凄いムカつくの! だからもう話しかけないで! これ、返すから!」


 私はそう言い放つと、つけていたネックレスを強引にむしりとってケイタに投げつけ、走ってその場から立ち去った。


 *


 学校から少し離れたところで走るのを止めてゆっくり歩く。


 その時頭を巡るのは、私がケイタに言ったあの言葉だった。


──「私、あんたのこと大嫌いだから!」


 何であんなこと言っちゃったんだろう。


 あんなこと言うつもりじゃなかった。


 ただ、ただ私は……


 でももうこれでいいんだ。


 これでケイタは私につきまとわないだろうから、天野さんと上手くいくんだろうなあ。


 天野さん、と。


 うん。これで、いいんだよね。


「これでいいんだよね……」


 なのに何でだろう。


 涙が溢れてくるんだ。


 *


──「私、あんたのこと大嫌いだから!」


 最低だ、私。


「ちょっとユキ、聞いてるの?」

「え? ああ、ごめん。聞いてるよ」

「じゃ何の話してたか言ってみてよ」

「えっと……」

「ほら! 聞いてなかったじゃん」

「ごめん」


 私はそう呟くと、机に突っ伏して黙り込んだ。


 そんな私を見たナナミは私の前の席に座って言った。


「何かあった?」

「……何も」

「嘘。絶対何かあるでしょ。言ってみなよ、聞いてあげるから」


 私が顔をあげてナナミを見ると、ナナミは真剣な顔をして私を見ていた。


 上手く言えるか分からないけど、言ってみよう。


 私は言葉を探しながらゆっくりと話し始めた。


感想

  • 40969:続きが気になる(((・д・)))[2011-03-08]
  • 40971:コメありがとうございます!!続きも頑張りますね?玲唯[2011-03-09]

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