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LOVER

[344] ふく 2011-04-24投稿
突然別れを告げるのね
全く心の準備は出来ていなかった
昨日まで愛を伝えてくれたのに

土曜日のあなたの電話
嫌な予感はした
休みの日は連絡は取らない決まりだったから
聞こえて来た声はか細くてあなたはすでに泣いていた
『終わりにしよう』
案外すぐに状況は飲み込めた
返す言葉が見付からなくてただ『分かった』とだけ言った
それ以上あなたは何も言わずに泣くばかりで
その音を聞くのが辛くて『切って』と言った
いつもは私から電話を切っていたから
最後くらい切らせてあげる
沈黙が続きあなたが『ごめんね』と一言だけ言い残して電話を切った
通話が終わった後の音が耳元に響く
こんなに悲しく聞こえるのね

あなたの前で泣けなかった分
真っ暗な部屋で一人泣いた
沢山の楽しかった事ばかりが過ぎって
余計に寂しくなって
気持ちの整理なんて出来なくて

始めて二人でご飯に行った時
あなたが私を好きだと言って泣いた
何度も回数を重ねてあなたが私を愛してると言って泣いた
私を失ったら辛いと言って泣いた事もあった
私があなたに愛してると伝えると心から喜んで泣いた
そして今
あなたが私に別れを告げて泣いている
沢山の涙をあなたに流させた
だからその分私は今思い切り泣いている

『不倫も命懸けなら純愛』という言葉がある
だから私達は純愛だった
死ぬ気で想い合えた
私はそう信じてる

あなたに会ったらちゃんと笑うわ
恨んだりはしていない
一年弱
私は少なくとも幸せをもらった
『あなたの幸せを壊すつもりはない』と付き合い始めにあなたに言った
それは守れなかったかもしれないけど
これからは大丈夫
もうあなたの迷惑にならないように一人で歩いて行く
忘れる自信はないけど
忘れなければならない

『あなたにとっての幸せって何?』
『君が幸せである事だよ』

だったら今は幸せじゃないね
あなたを失った私はこんなにも辛いのだから
でもね
私は今あなたの幸せを心から願う
あなたの生活を崩した分
あなたにこれから沢山の幸せがありますようにと

だから今は泣けるだけ泣いて
明日からまた笑えるだけ笑うんだ
いつか本物の笑顔になるように

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