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劇団ドリームシアター(16)

[444] YOSI 2011-05-07投稿
「じゃあ俺達行きますんで!」
「おう、頑張ってな…」
つとむと俊太郎は、楽屋をあとにした。
「なあ、由紀江ちゃん…」
「はい?」
「俺には、コント番組の依頼とかこないのかなぁ?…せめて、卓人のようにバラエティー番組に出たいんだよね」
「それは…無理だと思います。もう私は本馬さんの担当じゃないですから…事務所が、本馬さんを極力バラエティー番組に出さないようにしている以上、私にはどうしようもありません」
「でもさあー、和人は俺と違って、イケメンだから、事務所的にも、そうやって売り出したいのは解るけどさ…俺も和人も、芸人として成功したかったからさ…なんてゆうか、モヤモヤが晴れないんだよね」
卓人の言葉に、和人も頷いた。
「それは…私が、担当してる時は、そう私も思ってました。…でも、テレビ局や事務所や、メディアが、コンビの片方を極端にピックアップするのは、今に始まったことじゃないじゃないですか!私だって…私だって、そのことには疑問感じてましたよ。…だから、琢也さんや、俊作さんにも、ライブで、笑いを届けてもらいたいから、その仕事を入れるようにしてきましたよ…でも…」
しばしの間を置いて、由紀江は続けた。
「売れてから、思い通りにならなくなることだってあるんじゃないですか?」
由紀江の言葉に、2人は、黙ってしまった。
「思い通りにか…そうかもしれないな。
ソロになって、俺達ずいぶん、規制されてるもんな」
「ああ…。コンビの頃は、もう少し自由にやれたからな」
「お2人には申し訳ないですけど、琢也さんや、俊作さんが身を引いた以上、お2人は、与えられたフィールドで、頑張るしかないと思います」
「そっか…。でも、由紀江ちゃんは、どう思ってたんだい?俺達のコンビ時代をさ」
「私は…私は好きでしたよ。売れてない時も、俊作さんも琢也さんも含めて、生き生きしてた…舞台に立つことを、幸せを噛みしめてるように見えましたよ」
「そうか…それを聞けて良かったよ。俺達みたいにならないように、『レッドトレイン』は、頑張って2人とも、売れるようにしてな」
「はい…ありがとうございます」
由紀江は、一礼して、楽屋をあとにした

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