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ロストクロニクル 最終章10

[384] 五十嵐時 2011-05-15投稿
タクトはとっさにサーブの斬撃を剣で受けた。
(ダメだ、力が強すぎる!)
タクトがサーブの力に打ち負けてしまいそうになった時
「てめぇが何者かわかんねぇけど、仲良くしてはくれなさそうだな」
ウェドがサーブの剣をハンマーで叩き飛ばした。
「あら、女の子と仲良くしたいなら、優しく話しかけないとダメだよ」
サーブはウェドの腕を掴むと軽く投げ飛ばし、ウェドは壁に叩きつけられた。
「なんて力・・・」
次の瞬間、サーブはパールの目の前に現れた。
パールは息を飲んだ。
「次はあなた・・・」
サーブは訳がわからず、気が付けば地面に伏していた。
「こっちだよ〜」
フラットが振り向くとサーブの姿があった。
「そんな・・・」
フラットもなす術なく、腕を掴まれると勢いよく壁に叩きつけられた。
サーブのスピードを追うことができるものなど誰一人としていなかった。
「どうする?タークト」
サーブはタクトの目の前に再び現れると、明るい笑顔を浮かべながら問いかけた。
「もしかして、怖じ気づいた?」
サーブは笑顔で続けた。
「仕方ないなぁ、今なら『木彫りの不死鳥』渡してくれるだけで許してあげるよ」
サーブはタクトに右手を差し出した。
「・・・答えはわかってるんだろう?」
タクトは無表情で答えた。
「まぁね、でも、その答えを君の口から聞いた瞬間、私は君を・・・殺す」
サーブの目の色が変わった。
「その前にひとつ訊いておこう。ルパスの今回の戦争の目的はなんなんだ?」
サーブは少し考えて答えた。
「戦争の目的・・・それは歪んだ力をもつといわれる『ジャッジメント』を手に入れること」
「それはこの城の奥深くに封印されている、呪われた存在のことなのか?」
サーブは静かに「ええ」と答えた。
「やっぱり・・・大昔にこの国を救った力のせいで、またこの国が滅びかけているなんて、皮肉な話だ」
「パラスを救ったとされる歪んだ力『ジャッジメント』、それこそが忘れられた歴史『ロストクロニクル』・・・強大過ぎて神に封印されてしまったというその力・・・どうしても欲しい・・・」
サーブはタクトに剣の切っ先を向けた。
「さぁ、お喋りもこれでおしまいよ」

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