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最後の夏休み11

[340] ホッチキス 2011-05-30投稿
地下の駐車場であろう場所に車はたどり着いた。

池見は車から降りて歩き出す、戒はそれに付いていった。

エレベーターで一番下に降りて、戒達は半径100メートルほどの大きなドーム状の場所に着いた。

内装は全て白色。
なかなか異様な光景であった。

数メートルさきから眼鏡わかけて痩せ細った白衣の男が近づいてくる。
歳は池見と同じくらい。
ただ以下にも研究者といった貧相な男であった。

「池見くん。お使いご苦労様。お、彼が戒くんかい?」

白衣の男はそういって戒のほうを向いた。

「こんにちは。戒くん。僕がこの研究所の所長、住城武蔵(すぬぎ むさし)です。よろしく」

−こんな貧相な男が武蔵?マジで似合わねぇ…−
戒はそう思いながらも、
「よろしくお願いします。」
っと、所長と握手をした。

その時ポンッと戒は後ろから肩に手を置かれた。

「ん〜、戒くん。何故お兄さんにはため口なのに、所長には敬語なのかな〜?」
池見の手はわなわな震えていた。

「いや〜、だって所長さん偉い人そうだし、目上の人には敬語だろ?」

戒はさらりと答えた。

「いやいや、お兄さんだってここじゃ偉いのよ〜。目上だよ?」

「所長さん魔法の特訓ってどうやればいいんですか?」
戒は池見を無視して話を進めた。

「魔法は集中力によって左右されるからね。まずはイメトレからかな。」

所長も池見を無視した。

「ふっ。お兄さんはあくまで無視か。それなら少し休ませてもらうかな。帰るときには呼んでくれ。」

池見はそういってエレベーターでどこかへいった。

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