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Love song

[431] 玲唯 2011-06-20投稿
05.


「え! じゃ、今まで友だちと帰るとかしなかったんだ?!」

「うん」


 小学校の時、友だちと一緒に帰った時がある。


 友だちと喋ったり寄り道したりして、片道15分の道のりを1時間かけて帰った。


 でもその日は丁度レッスンの日で、私はそれをすっかり忘れていた。


 家に入った瞬間、お母さんから怒られて泣きながらレッスンを受けたのを今でも覚えてる。


 それから友だちと一緒に帰るのを止めたんだ。


 中学になると、そんな私を、友だちは付き合いが悪いと離れていった。

 離れていった友だちを、私はどうすることもできなくてずっと一人。


 でも今は違う。リュウとミクちゃんがいる。


 今日はレッスンがないから、少しくらい遅くなっても何も言われないよね。


「じゃ、いろんなとこに連れてってあげるよ! いいよね、リュウ」

「おう!」

「買い食いしよーよ。マコ、したことないでしょ?」

「うん。ない」

「じゃこっち!」


 そう言うと、ミクちゃんは私とリュウの間に入って、私たちの脇から腕を通して引っ張り出した。


 *


「今日はありがとね」


 家に着いたのは、学校を出て2時間後だった。

「レッスンだっけ? それない時にまた行こ」

「うん!」

「じゃまた明日な」


 リュウとミクちゃんに向かって手を振って、2人の姿を見送る。


 今日は本当に楽しかったなあ。


 玄関の戸を開けて中に入ると、リビングからお母さんが出てきた。


「遅かったわね」

「う、うん。学校で練習してて……」


 嘘をついてしまった。


 本当のことを言ったら怒られそうだったし、そんなことをしたら2度と2人と一緒に帰れないかもしれなくなるかもって思ったから。


「もうご飯だから、こっちにいらっしゃい」

「ご飯、いらないや……疲れちゃって」


 これも嘘。帰る途中で、いろいろ買い食いしてたからお腹いっぱいだった。


「お風呂入って寝るね」


 そう言って、私は自分の部屋に入った。


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