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おにいちゃん、これおしえて?

[499] misato 2011-07-03投稿
こういう時の行動力は、人一倍。

わたしは、次の日学校の靴箱前で、颯天くんが登校してくるのを待っていた。


「……あ、おはよ。初音」


とそこで、背後から声を掛けられた。振り返ると、そこには親友の明花の姿が。


「おはよう、明花」


「……何してるの?」


「ん?……ちょっとね」


ここで正直に颯天くんを待ってますだなんて、答えられない。


そんな事をいったら明花からこの事実が流出して、颯天くんに迷惑をかけてしまう。


「へえ、池内くん待ってるんだ」


何でバレたの?!


「ふふ、何せ未来が見える魔術師ですから」


怪しげな笑みを浮かべる明花。


うん、全く意味がわからない!


「……お、来たみたいだよ」


明花が靴箱の方を指差していった。


明花に言われて、靴箱の方に視線をやると……


――颯天くん!


そこには、颯天くんの姿があった。


時計を見ると、時刻は午前8時10分。


わたしが学校に来たのが8時丁度くらいだから、約10分待っていた事になる。


「ほら、何してるの?早く行きなさいっ」


「わぁっ!」


明花に背中を押され、進みたくもないのに足が勝手に前へと進む。

「……ん?」


そのせいで、颯天くんにわたしの存在が認識された。


「おはよ……はーちゃん」
「おはよう……そーくん」


幼い頃の呼称でお互いを呼び、挨拶を交わす。


颯天くんは照れているのか、少し頬が赤い。


「そ、そーくん……聞きたい事が――」


「池内!丁度良かった、ちょっと来てくれ!」


わたしが本題を話そうとしたその時、野太い男の人の声がそれを遮った。


声の主は――学年主任の松坂先生。


「はい、わかりました。――じゃあな、また教室で」


颯天くんは軽くわたしに手を振って、先生の元へと走っていった。



――折角、待ってたのに。



落ち込みながらも、わたしは自分の教室へと向かった。


*―*―*―*―*―*
このお話は、前の「いっくん」が転入する前、初音が明日颯天に直接聞こう!と決心した後に入るべきお話でした。
投稿したのに何故か切れていたので、再投稿します。

感想

  • 41233:そーくん格好良いよそーくん(´ψψ`)[2011-07-03]
  • 41234:そーくんかっこいいですか?w 有難うございます^^作者としては嬉しいです(≧∇≦)v by.misato[2011-07-03]

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