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夏の蛍・2

[536] 柊翔 2011-07-16投稿
「…そうかぁ。宣伝でやってたのは、この登場人物の事やったんか…」

自分の世界に入っている光樹。

「そんなに見たいんだったら、先に見てもいいよ」

「マジでぇ!?ええのんか?」

「今さら返してくれとも言えないし…。その代わり、2日以内で見てくれよ」

レンタルビデオの袋を手渡す伸一。

「もちろん!今夜さっそく見るわ」

「それと、貸す代わりに…」

「なんや?金か?」

「…いやいや…。お金じゃないけど。夏休みの自由研究がまだだから、代わりにやって欲しくて…」

言いにくい事をサラリと言う伸一。

「…自由研究?そんな事か、まかせとき…。て、えーっ!?何でお前の宿題をやらなあかんねん!」

ようやく事の重大さに気付く光樹。

「引き受けてくれないなら、これ返してよ」

「…あーっ、分かった分かった。するがな。今から朝顔植えるわ」

「それは、無理だろう」

「冗談やがな、これやから関東の人間はあかんなぁ。取り敢えず借りるわ。ほなまた!」

小走りに走り去る光樹。
「いいやつだよな」

光樹の後ろ姿を見る伸一が目を細めて笑った。

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