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悪魔の天使 (10)

[337] 暁 沙那 2011-07-18投稿
リアを囲んでいた針子達が少し離れた。

「とてもお綺麗です。」
「本当。こんなに美しい方を放っておく男なんていませんよ。」

リアは先程とは違うドレスを身に纏っていた。

色は前のよりも少し濃いピンク。
腰はそれよりも濃いピンクのリボンで締められていた。
肩は出されており、少し肌寒い。
首には三重にサイズの違うネックレスがかけられた。

一番大きく変わったところは化粧だろう。

大して手は加えられていないが、唇にはほんのり赤い口紅を、頬は先程よりも色付かせた。

「ふーん。なかなか可愛いね。」

突然耳元で聞こえた声にリアは固まった。

「まあ、レクス様!」
「どうです?リア様。とてもお美しいと思いますが。」

針子達が一斉にレクスに問いかける。

「うん。前のと衣装は大して変わってないけど、綺麗だと思うよ?」
「っ……!
そんなことさらっと言わないで下さい!!」

リアは堪らず叫んだ。

その言葉をどう受け取ったのか、レクスはリアを自分の方に向かせて言った。

「本当に綺麗だよ。このまま連れ去って俺だけのものにしたいくらい。」

リアはその言葉に頬を朱に染めながら下を向くのだった。

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