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悪魔の天使 (12)

[405] 暁 沙那 2011-07-24投稿
「ねえ、風にでもあたってこない?」

叔母が挨拶をしているのにも関わらず、レクスは手を引いた。

突然のことに驚きながらもリアは付いていった。


「…綺麗……。」

満天の星空についそんな言葉が出た。

「綺麗でしょ?」
「うん……。綺麗…本当に……。」

月が半分に欠けていた。

(そろそろ新月になってしまうのかしら?)

そんなことを考えているとレクスが動く気配がした。

いつの間に来たのかリズがレクスに何か言っている。

レクスは少し不機嫌そうに溜め息を吐くとリアを見た。

「ごめんね。ちょっと待ってて。」
「うん。分かった。」

そう返事をするとレクスは踵を返した。

なぜか風がひどく冷たく感じる。

「この感じ前にも…いつか……。」

リアは変な胸騒ぎをおぼえていた。

『ごめんね。ちょっと待ってて。絶対帰ってくるから。』

(そういって彼は帰ってきてくれた?)

そもそも彼は誰だった?



そもそもこの記憶は私のものなの!?


私が私でなくなり始めたのた間違いなく彼に会ってから……。



リアの足は勝手に進んでいた。
レクスの方に。
真っ直ぐ……。

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