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RIO-1

[352] メシア 2011-07-30投稿
この間の学年末試験の順位表を見る。

大好きなあのこはいつも一位だ。

まぁ、いつもの事だ。

それが原因か?
ぶっちぎり一位の彼女はいじめられてる。
いつも理科室の隅っこで泣いてる。
今日も理科室に行ってみるか…


ガラッ。

ドアを開ける。


「あ、水城君。」

「よぅ。」

いつもは泣いてる。今日は笑ってる。珍しいな。

「今日はどうしたの?」

「いや、なんとなく来ただけ。紫音は?」

「んー私もなんとなく。」

にっこりと笑う笑顔が可愛らしい。彼女は何かを誤魔化している様だ。後ろに何か隠している。
「紫音、何か隠してる?」
「あら、どうして?」

「え、なんとなく。」

「今日はなんとなくが多い日だね。」

「そうだな。じゃなくて何か隠しているでしょ?」

「何も隠してないよ。」
紫音は俺から目を反らす。嘘なのが分かりやすい。

「じゃあ、何で手を隠してるの?」

「なんとなくだよ。」

なんとなくか…

「手ぇ見せろ。」

「はい。」

紫音は右手を出す小さくて綺麗な手だ。

「左は?」

「んーやだ。」

「何で?」

「なんとなくだよ。」

なんとなくが7回目。

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