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悪魔の天使 (13)

[340] 暁 沙那 2011-08-01投稿
満天の星空の下、そこにあった光景に青の瞳が揺れた。

いつか見たことがあるような……。

愛し合う者同士の一番分かりやすい行為。

「…っ……!」


目の前が一瞬暗くなる。


「何…これ……。」

色が戻ったとき、リアは自分の目を疑った。

そこは違う世界。

真昼のそこは色とりどりの花が咲き誇り、花弁に付いた水滴が輝いている。

優しい光に導かれるようにリアは足を進めた。

「ディル!」

凛とした声がそこに響いた。

「何?ルカ。」
「やっと見つけた。もう…どこ行ってたのよ。」

ルカ、と呼ばれた人物はリアのことなど見えていないのか、さっさと彼のところに行った。

「そういえばね……。うん。ははっ!やっぱりいい。」
「え。何?言ってよ。」
「えーっ!内緒!」

仲の良い二人のようだ。

「恋人同士かしら?」

ルカの笑顔を見ると何だか悲しくなってきた。

(幸せそう……。)

知らずのうちに目に溜まっていた涙を拭うと、急いで踵を返そうとした。

『逃げちゃダメよ。向き合わなきゃ。そんなんじゃいつまでたっても変わらない。あいつらの目は変わらない!』

暗い。

色が消えた。

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