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悪魔の天使 (14)

[347] 暁 沙那 2011-08-02投稿
「リア!」
「…っ……!」
「どうしたの、こんなところで……。」

抱えられるように肩にまわされた手を、リアは払いのけた。

リアはまだ温もりがある肩を抱き寄せるような仕草をした。

明らかに警戒している。

(見られた、か……。)

レクスは一歩引くと一礼をして踵を返した。

「…ディル……?」

レクスの後ろ姿がディルと重なった。

(あの後はどうなったのだろう……。)

ルカの伝えようとしていたこととは何だったのだろうか。

(きっといいこと。)

少しだけ頬を染めながらも嬉しそうに話していた彼女。

見てるのが辛くて目を背けた。

そういえば

『あいつらの目は変わらない!』

誰かがすぐ近くでそう言った。

誰だったかは覚えていない。

いや、知らない。

低い女の声。

新たに感じたうすら寒さに、リアは肩を抱いていた手に力を込めた。

すぐ後ろにあった柱にもたれかかる。

静かに深く溜め息を吐いた。

「何よ。勝手に信用して勝手に悩んで……。」

堪らずしゃがみこんだ。

「初めてだったから……。初めてあんな風に接してくれたから……。」


風が余計に冷たく感じられる。

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