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悪魔の天使 (20)

[310] 暁 沙那 2011-08-09投稿
レクスがリアを離したのは、それからしばらくしてからだった。

突然何かと思い目を向けると、レクスはしれっとしていた。

こっちばかり振り回されて、困惑しているのが悔しくなってくる。

「何?」

レクスが少し眉を寄せて訪ねた。

「そんなに見つめて。そんなに俺のこと好き?」
「違う。誤解。」
「つれないなー。」

放されてすぐにレクスから一定の距離をとったリアは、更に距離をとろうとした。

「!?」

その距離が嫌な感じを運んだ。

「また、君はいなくなってしまうの?」
「また?」

レクスの瞳は少し寂しそうな陰を映していた。

「ああ、ほら3日前とか昨日とか。ホント逃げられてばっか……。――……。」

最後の方が扉の閉まる音で消える。

「さっき何て言ったの……?よ…く……聞こえ…なか……?」



「ルカ?」
(ああ、そうか。またあの光景。)

まだよく分かってないままそこにある光景を受け入れようとした。

それなのに。

「…い……。」
「え?」

以前はすごく幸せそうだった笑顔が、今は隠れて見えない。

どうしたのかとおもっていたら、
細い腕がいきなり伸びてきて……。

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