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『生きる』ということ。<2>

[411] 黒魔法 天使 2011-08-18投稿

「はいっ!着いたよ!」

男の子は少女の腕を放した。

「ここってー…ただの丘じゃないっ!」

「あっち見てっ!」

男の子は街の方を指差す。

相変わらず、街は明るかった。


「どう…?キレイでしょ」

「別に……」

少女は素っ気なく答える。


「………………」

男の子はまた考え込んだ。

「じゃあ…ここに寝て!」

「はあ!?なんでよっ!」

「いーから、いーから!」
「もう、何なのよ…!」

少女は渋々、草の上に寝た。


「…わあぁっ…!!」


少女の目には、夜空いっぱいに散らばった星が写っていた。


「キレイでしょ?」

男の子は、少女の隣に寝た。

「……うん………」

少女は星空を見つめながら頷いた。

「ここね…僕の秘密の場所なんだ…」

男の子はニコッと笑った。

男の子はいきなり起き上がり、
「僕、大塚聖。12歳。君は?」
と尋ねた。

「……秋山羽琉…14…」

羽琉はボソッと呟くように言った。

「14歳かぁ…じゃあ、お姉ちゃんだねっ!」

聖はまたニコッと笑う。


「あんた…こんな時間に何してんの…?」

「う〜ん……散歩…?」

(パジャマにニット帽…どう見ても、散歩してるようには見えないんですけど…)


「小学生はさっさと帰って寝な…」

羽琉は立ち上がる。

聖は、羽琉の袖口を掴んだ。

「!?」

「もう少しだけ…ここにいて…。」

「……」

羽琉はその場にまた座った。

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