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悪魔の天使 (27)

[311] 暁 沙那 2011-08-20投稿
リアは部屋に戻ると図書室から移転させた本を出した。

別に盗んだ訳じゃない。
もともと家のものだし、ちゃんと貸し出し表にも書いておいた。
匿名希望って。

「……。」

リアはベッドに横になって本を開いた。

それを黙々と読む。


リアは小さい頃から学校に行っていない。

理由は叔母が許さなかったから。
それと、もう一つ。
それは学校側が断ったからだ。

それでもリアは魔法書を読み、独自で魔力を磨いた。

魔方陣に使う様々な多種類の文字。
呪文の読み方。
様々な魔術。

全て独学だ。

今でもそれは続いており、暇さえあればこうやって魔法書を読んでいる。



しばらくたってからリアは本を閉じた。

深く息を吐き、ころんと寝転がる。

そのままゆっくりと目を閉じ宙に陣を書いた。

「我を守りし魂達よ。その力を我に。」

そこまで言うと手から力を抜いた。

閉じた目の上に乗せたまま浅い眠りに付く。



リアは前にも感じたことがあるそれに、身を任せた。

温かい。

優しい。

落ち着く。



母の夢を見た。

あの日以来初めてだった。

母は今どこでどうしているのだろう。

リアは不思議な気持ちで目を覚ました。

もうあの優しさはどこかに行ってしまったのか、そこには

なかった。

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