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夏の終わりに

[586] naho 2011-09-04投稿
頬を撫でる風が

心なしか

柔らかくなった


蜩の声に

思い返すのは

焦りと

必死に駆け抜けた

曲がりくねっていたはずの道


走りきって

振り向いた

アタシの足跡は

真っ直ぐ
真っ直ぐに伸びていて

そんなに
長距離ではなかった


神様はいないと

少なくとも
アタシのことは
見ていないと

悔しくて泣いた日々

報われないことを

誰かのせいにしたくて

周りを全て
敵だと思おうとした

楽になりたかったわけじゃない
物足りないわけでもない

おいてきぼりが怖かった
証が欲しかった

ここにいる意味を
未だに見出だせずに

アタシは

ただ暑いだけの
夏を

ひとりぼっちで
また
終えようとしている

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