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悪魔の天使 (35)

[342] 暁 沙那 2011-09-11投稿
リアの感じる妙な胸騒ぎの原因。

それはレクスにエリーを任せていいのか、ということかもしれない。

リアはそう思うことにした。

義妹と言っても家族だ。

心配しないはずがない。

でも、それじゃない。

「どうしたの?」

いつもと変わらない笑顔でそう聞かれた。

「ううん。エリーと結婚するんだったら、ここじゃなくてエリーの所に行った方がいいんじゃないの?」

自分でも驚くほど弱い声が出た。

リアはいたたまれなくて目を伏せ、部屋を出た。


「…何やってんの…私……。」

リアは一人になりたくてあの場所に行った。


レクスはリアが出ていったすぐ後に電話をかけた。

『どうしますか?これから。』

電話の相手である男が聞いた。

「ん?ああ、まだ何とも言えないけど、でも、欲しいかな。」
『そうですか。』

レクスは不敵な笑みを浮かべて電話を切った。





ここにきたら見える。



『私は貴方を愛してる。』

優しい笑みで彼女はそう言う。

『もしディルが妹を、クロアをとったとしても、私は貴方を愛し続ける。

クロアでもない他の女でも同じ。

もし貴方が別の世界に行ったとしても、私は貴方を愛し続ける。

貴方が私を嫌いになったとしても、私は貴方を愛し続ける。

愛し続けることができる自信がある。

迷惑だとしても、それでも好きでいたい。』

真剣な眼差しでルかはディルを見ている。

『好き。好きよ。
愛してる。』

本当に愛し合っている者逹の口づけ。





何度見ただろう。

ルかは自分に似ているからか余計に気恥ずかしくなる。
と、同時に羨ましくもなる。

本当に愛してくれる者がいる。

リアはそれが羨ましかった。

(私はきっと彼に…)

膝を折り、体を抱えるようにして丸くなる。



闇に体を預けた。

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