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シャドーオプス

[407] ハバネロペッパー 2011-09-13投稿
「勘違いなんだよ…」

「ん?」

「何で理解出来ないのかなあ…」

「え?」

「テロ無くすのに力じゃだめなのになあ…」

「…」

彼の横顔には、苦悩と苦痛と怒りと…数え切れない悲しみが、無表情な皮膚に影を刻んだ。

「力こそ正義っていう勘違いに気付けないんだな。抑圧は憎しみと反発しか生まないのになあ…」

「う…ん」

「力無き正義は無能也は正しい。でもな…」

久しぶりに会えた彼はいつも通り優しい彼だった。

でも、会う度に瞳に沈殿していく悲しみは増えている。

ねえ、今度はいつまでいられるの?

その問いかけが喉の検問所で制止される。

ピピピ!ピピピ!

彼の携帯が突然、せっかくの二人だけの時間を断ち切る。

「ごめん…行かないと…」

「うん、気をつけてね」

優しい過ぎる包容と甘すぎるキスを残して彼は出て行く。

向かうのはカオスという言葉すら軽すぎるエリア。

アフガニスタン

アメリカ海軍特殊戦部隊シールデベロップメントグループレッドティーム オペレーター としての任務の為に

テロリスト掃討の為に

彼は出て行く

平和過ぎる日本人には想像すらつかない地獄へと

善と悪だけでは説明出来ない闘いへと

彼は向かう

ほんのわずかな可能性を信じて

争いのない世界を実現するために

感想

  • 41555:戦場に理由がないことを見出してしまうのは、特殊部隊ならでは。戦う為が理由なのだとしたら。ご武運を[2011-09-19]

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