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シャドーオプス21

[380] ハバネロペッパー 2011-10-14投稿
マスターは身を乗り出して僕に顔を近づけた。

ガチャガチャ音を立てて鎖がマスターの動きを制御した。

クッ!苦痛にマスターの表情が歪み、ついで激しく咳き込んだ。

血痰が飛び散った。

「ミスター、大丈夫か?」

何でもありません

と、マスターは頬を振るわせながら笑顔を作った。

「無理しなくていい。またにしよう」

マスターは頭を激しく振ると、大丈夫です…を繰り返した。
「わかった。ところで、食事は摂っているのか?」

無言で机を見つめている

「ちょっと待ってろ」

一旦僕は部屋を出た。

「タック。食事はちゃんと与えているのか?」

「それは…場合による…」

「まさか兵糧責めじゃないよな?」

「それも手段の一つだ。奴はテロリストだぞ!何としても情報を引き出さなきゃならないんだ!」

「まあいい。タック食事を用意してくれ、マスターに」

「今か?」

「そう今だ」

「あいつは…わかった。用意させる」

「マスターはイスラム教徒だ。わかるよな?」

「あんまり甘いこと言うなよ。豚肉でも何でも食わせてやればいいんだ!」

「タック…タック、僕は君の才能も認めているし仕事に向き合う姿勢も尊敬してる。でもな、もう少し様々な角度から人を理解する努力が必要だと思うぞ。力づくだけではだめなんたよ」

「お前からご教導賜らなくてもわかってる」

心外だ!

タックは怒りを隠さなかった。

「バフ、食事の用意を頼むよ」

「うちのスタッフにやらせる、何でバフがやるんだ!」

「俺はシェフなんだよ、元々な」

そう、バフは元々シェフという面白い経歴の持ち主だ。

ティームの料理担当がバフの日にはみんな盛り上がりまくる。

「キッチンに案内してくれ」

タックは不満そうにスタッフにバフをキッチンへと案内させた。

「JJ奴は何をしゃべったんだ?何語でしゃべってるんだ?」
タックには日本語が理解できない。

「これからだよ。まだこれからだ」

「そんなはずないだろ?マスターはベラベラしゃべってたぞ。教えろ」

「慌てるな。ちゃんと教える。終わったらな」

「タック、マスターは何日食べてないんだ?」

「あれからだ…」

「あれから?あの日からか?」

「そうだ。はじめは奴が拒否したんだ。そのうち、なら死なせない程度に…」

「その上拷問か?」

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