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願い想い

[462] ふく 2011-10-24投稿
あなたに気付かれないようにそっと近付いて
あなたを後ろから抱きしめた
出来るだけ優しく
出来るだけ愛を込めて

甘いあなたの髪の香り
少しだけ触れ合った互いの頬
腕を廻した時に感じたあなたの肩の細さ
驚く程の僕の鼓動の激しさ
このままあなたと
いつまでもあなたと
ずっと触れ合っていたいのに

いつも見続けた背中
短く切られた栗色の髪と
小さな背中
そのくせいつでも強いあなたのその姿に恋をした
追いつきたくても追いつけない距離がもどかしくて
ただ願った
いつか
あなたの背中を抱いて僕は言う
ありったけの愛を

あなたへ近付く心臓は高鳴り
あなたへ延びた手は震えた
もういいんだ
一度だけ夢を見てみたかった

少しだけ聞こえたあなたの鼓動
少しだけ肩が強張る
溜め息を一つ着く
あなたにとっては一秒でも
僕にとっては永遠を願わずにはいられなかった

あなたの左腕があまりにも静かに優しく僕の両腕を解く
振り返ったあなたの困惑が混じった悲しそうな表情に胸が引き裂かれる

『駄目よ』
小さな声に我に帰る
『ごめん』
そう言って体を離す

あなたはまた僕に背中を向ける
何も言えずに距離を離した

いつも見続けたけど
これからも見続けることしか出来ない
そんな現実で僕の胸は苦しくて

あなたと向き合うことさえ出来ない
いつだってあなたは僕の前を歩いて
追い付けない

それでも忘れられない
抱きしめたあなたの感触を
あの時に感じた確かな僕の愛を
思い出すとまたあなたに恋をするこの感覚を

あなたがいつか振り向いてくれるといい
そのクールなあなたも
揺れないあなたも愛して止まない
この歯痒い想いも大切なあなたへの恋
そう思ってしまうから

感想

  • 41634:すごい良かったです?[2011-11-05]

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