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happy 5

[364] ホリキコ 2011-10-25投稿
気がついた時、灰原は病院のベッドで寝ていた。

まだ額のあたりが痛む。

跳ねられた後の記憶はない。気を失ったのか。

灰原は周りを見渡した。
ベッドの横にはパイプ椅子が置かれ、さきまで誰かここにいたようだ。
飲みさしの缶コーヒーがそばの机に置いてあった。

「ここは…病院?ってとこか…?まさか施設に連れ戻されたのか…?」


そこにふと白髪混じりの男性が現れた。

「おっ!目が覚めたか!ごめんな〜まさかあんなとこから飛び出してくるとは思わんかったもんでな!」

男性の悪びる様子は薄かった。

だが、灰原の意識はそんなところになかった。

「ここは…病院っていうとこか?本当に……
あっいや…病院っていうとこです…か?」


「そんなかしこまらんでもいいよ〜!
ここは市民病院だよ〜」

男性は机に置かれた缶コーヒーの残りすべてを一気に口に流し込んだ。

男性の言葉を聞き、胸を撫で下ろした灰原はもう一度身体を倒した。

「おめぇ、名前なんつっだ?」

男性が微笑みながら聞いた。

灰原はすこし黙って、

「山口 一樹(ヤマグチ カズキ)です。」

と言った。

「一樹君か〜おめぇ今日これから暇かえ?」


「え?」


「先生もあと2時間ほど休めば今日のうちに退院できる言うてたからな、その後からお詫びっちゃあなんだけどな、おっちゃん家で飯ご馳走したるよ〜」

男性はニコニコしている。

灰原は唖然としながらも、

「あ…お願いします。」

口が勝手に承諾してしまった。
きっと変な何かを期待したんだろう…

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