携帯小説!(スマートフォン版)

痕跡

[465] キイライ 2012-04-10投稿
今日も箱の中には、いつもの顔ぶれが並ぶ。
溢れる笑顔から浮かぶ情熱は、もう考えるまでもない感情なのだろうか?


そんなことを考えている間に眠りに落ちた。
気がつくと触れられない温かさが、まだ時を刻んでいた。

『愛しさ』とか言ったっけ?
そんなのもう忘れた。

あなたは、まだそこにいる?


そこにいるなら返事して、と古い記憶を頼りに名前を呼ぶ。

虚しく闇に消える数々の色。

もう忘れよう… 。

まだ残る微かな温もりを振り払い、私は上を向いた。


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