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悪魔の天使 (59)

[486] 暁 沙那 2012-04-14投稿
『…失敗……。』

グルグルガウウウ

じゃれてくるドミニエを撫でる。

不思議と落ち着いた。

『フフっ!くすぐったいよ、ドミニエ。大丈夫よ。機会ならいくらでもあるわ。もっと一緒にいられるのよ?』

だから気づかなかった。

私以外のあの一人に。

『ふうん。あんただったの、化け物の飼い主。』
『――っ!?シャローズさん!?何で此処に!?』

咄嗟にドミニエを庇うように前に出た。

『ディエル様はお優しい。』

何が言いたいのか分からなかった。

『あの方は貴様には釣り合わない。お前から手を引け。お前があの方のご家族の命を奪った!お前こそ化け物だ!!』

ガルルルルル

ドミニエが低く唸り、シャローズが剣に手をかける。

『止めてっ!!』
『ほら、躾がなっていないな!ディエル様に報告する!嫌われたな、ルカ・スロイスト。』

シャローズが去っていく。

足音が完全に消える前に、膝から一気に力が抜けたように倒れこんだ。

『うっ…ひっく……。うえっ…うああぁぁぁっ!!!』



大声で泣いた。
ドミニエがすりよって来てくれた。

『ありがとう…ドミニエ…ありがとう……!!』

泣いた。
不安で。
泣いた。





それから暫くして。

『ディエル様は部屋にはいらっしゃらないのです。』
『そう。』

渋々帰ることにした。

その途中。

『ディエル様、昨夜はありがとうございました。』

シャローズの声だ。

『ごめん、痛くなかった?途中で抑えきれなくなって。』
『いいえ。とても上手くて。他の人をとっかえひっかえでもなさってたんですかぁ?』
『ええっ!?』
『フフっ。冗談です。ねえ、ディエル様、また、抱いてくださりますか?』
『うん。でもルカには』
『内緒です。私と結婚してくださるのでしょう?』
『うん。シャローズ、愛してるよ?ルカは、皆を殺した。彼女には死んでもらう。苦しみながらね。』
『良かった。あの人は化け物ですもの。そうよ。助けを乞うまで、いいえ、乞うても助けないで見るの。あんな化け物には似合いの死に方ね。』

私は裏切られた?

ディルに、愛する人に、大好きなのに

殺される?

酷い。

酷い酷い酷い!

殺してやる!!

私を裏切る奴、殺そうとする奴。

みんなみんな殺してやる!!





これは私があの儀式をしようとする
三日前のことだった。

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