鐵特殊部隊 4
薙都は荒れた野原に立っていた。
空は分厚い灰色の雲が覆っている。
周りに生い茂る腰までの高さの雑草、終わりが見えない野原。
急に、風が吹いた。
薙都の長めの髪が揺れる。
一瞬目を瞑ると、風は止んだ。
目を開ければ、5m先に、10歳頃の薙都が立っていた。
その子は前髪が顎くらいまで伸び、左目を隠すように左分けにしてある。服は着古してあるTシャツにズボン。そして、左目、首から左肩にかけて、左腕、右の肘から下、右足のスネに、包帯が巻かれてあった。
少年は何かを小さく呟いた。
また、それを繰り返す。
だんだん声が大きく、はっきり聞こえるようになった。
「なんで、俺なんだ!?」
気がつけば、少年は涙を流していた。
「神は…俺をあのとき、仲間と一緒に殺してくれなかった!!なんでっ…なんで、俺なんだ!!!」
不意に、視界がグラグラと揺れた。
その間にも、少年は叫んでいる。
「薙都…」
どこからか呼ばれた。
「薙都…!」
だんだん強くなる声。
「薙都っ!!」
少年や、荒野が、消えた。
だがそれは、薙都が目を開け、夢から覚めただけのことだった。
目の前に、ジノの顔がある。
ジノはホッとため息をついた。
「よかった、起きて。お前が泣いてるから…」
ジノは笑ってベットに腰かけた。
「あ…」
薙都は頬が濡れていることに気づき、グイッと拭った。
「ほら、起きろ。まだ仕事は片付いていない。」
ジノは立ち上がった。
今さら、薙都はジノが着替えていることに気がついた。
「今、何時だ?」
薙都は体を起こしながら訊く。
「7時半だ。」
ジノは笑ってから、部屋を出た。
薙都は、着替え始めた。
空は分厚い灰色の雲が覆っている。
周りに生い茂る腰までの高さの雑草、終わりが見えない野原。
急に、風が吹いた。
薙都の長めの髪が揺れる。
一瞬目を瞑ると、風は止んだ。
目を開ければ、5m先に、10歳頃の薙都が立っていた。
その子は前髪が顎くらいまで伸び、左目を隠すように左分けにしてある。服は着古してあるTシャツにズボン。そして、左目、首から左肩にかけて、左腕、右の肘から下、右足のスネに、包帯が巻かれてあった。
少年は何かを小さく呟いた。
また、それを繰り返す。
だんだん声が大きく、はっきり聞こえるようになった。
「なんで、俺なんだ!?」
気がつけば、少年は涙を流していた。
「神は…俺をあのとき、仲間と一緒に殺してくれなかった!!なんでっ…なんで、俺なんだ!!!」
不意に、視界がグラグラと揺れた。
その間にも、少年は叫んでいる。
「薙都…」
どこからか呼ばれた。
「薙都…!」
だんだん強くなる声。
「薙都っ!!」
少年や、荒野が、消えた。
だがそれは、薙都が目を開け、夢から覚めただけのことだった。
目の前に、ジノの顔がある。
ジノはホッとため息をついた。
「よかった、起きて。お前が泣いてるから…」
ジノは笑ってベットに腰かけた。
「あ…」
薙都は頬が濡れていることに気づき、グイッと拭った。
「ほら、起きろ。まだ仕事は片付いていない。」
ジノは立ち上がった。
今さら、薙都はジノが着替えていることに気がついた。
「今、何時だ?」
薙都は体を起こしながら訊く。
「7時半だ。」
ジノは笑ってから、部屋を出た。
薙都は、着替え始めた。
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