大酒飲み
自分で言うのもなんだが、俺は酒にとても強い。
毎日のように大量に飲んでいるが、飲みに行って酔ってしまったことなど、過去一回もない。
今日も、いつものように行きつけの居酒屋で一人で飲んでいた。
すると、隣の席で飲んでいた一人の中年の男が話しかけてきた。
「いい飲みっぷりだねぇ。どう? 俺と勝負しないか?」
「勝負?」
「そう、どっちが早く酔い潰れるか勝負するんだ。負けた方が一杯おごる。どうだ?」
「少ないな。三杯にしよう」
「いいだろう」
男が頷いて、勝負が始まった。
どこから聞き付けたのか、次第に周りには人だかりが出来ていった。
しかし、提案してきた割に、男は弱かった。気が付いたら、既に横で酔い潰れていた。
「なんだもう終わりか」
人だかりの誰かが声をあげた。
「俺も勝負していいか?」
さっきとは違う声がした。手を挙げながら、筋肉質な若い男が近づいてきた。
いかにも、酒には強そうなイメージだ。
「いいよ、やろう」
さっきと同じ条件で、勝負は再び始まった。
しかしやはり、この男も大したことはなかった。中年の男よりはもった方だが、それでも俺から見れば弱い方だ。
すると、また別の男が名乗りをあげた。だがやはり俺には敵わなかった。それを更に何回か繰り返した。
少なくとも十人は倒しただろう。周りにいた奴らのほとんどが倒れ、今はもう誰もいなかった。
こんなに飲んだのは久しぶりだが、全く酔ってはいない。
そこへ店員が近づいてきた。
「もう閉店なので、そろそろ会計してもよろしいですか?」
「ああ、頼むよ」
「こちらになります」
店員は紙を差し出した。
俺はその紙を見て、絶句した。
58万6570円。
おごりの分を引いても、50万以上することになる。
こんなに飲んでいたのか。
途端に、目眩がした。身体が火照りだし、吐き気がする。
俺は人生で初めて酔った。
毎日のように大量に飲んでいるが、飲みに行って酔ってしまったことなど、過去一回もない。
今日も、いつものように行きつけの居酒屋で一人で飲んでいた。
すると、隣の席で飲んでいた一人の中年の男が話しかけてきた。
「いい飲みっぷりだねぇ。どう? 俺と勝負しないか?」
「勝負?」
「そう、どっちが早く酔い潰れるか勝負するんだ。負けた方が一杯おごる。どうだ?」
「少ないな。三杯にしよう」
「いいだろう」
男が頷いて、勝負が始まった。
どこから聞き付けたのか、次第に周りには人だかりが出来ていった。
しかし、提案してきた割に、男は弱かった。気が付いたら、既に横で酔い潰れていた。
「なんだもう終わりか」
人だかりの誰かが声をあげた。
「俺も勝負していいか?」
さっきとは違う声がした。手を挙げながら、筋肉質な若い男が近づいてきた。
いかにも、酒には強そうなイメージだ。
「いいよ、やろう」
さっきと同じ条件で、勝負は再び始まった。
しかしやはり、この男も大したことはなかった。中年の男よりはもった方だが、それでも俺から見れば弱い方だ。
すると、また別の男が名乗りをあげた。だがやはり俺には敵わなかった。それを更に何回か繰り返した。
少なくとも十人は倒しただろう。周りにいた奴らのほとんどが倒れ、今はもう誰もいなかった。
こんなに飲んだのは久しぶりだが、全く酔ってはいない。
そこへ店員が近づいてきた。
「もう閉店なので、そろそろ会計してもよろしいですか?」
「ああ、頼むよ」
「こちらになります」
店員は紙を差し出した。
俺はその紙を見て、絶句した。
58万6570円。
おごりの分を引いても、50万以上することになる。
こんなに飲んでいたのか。
途端に、目眩がした。身体が火照りだし、吐き気がする。
俺は人生で初めて酔った。
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