携帯小説!(スマートフォン版)

砂の時計

[519] ニコル 2012-06-26投稿
たぶん大丈夫
すりむいたのは昔の話しさ
だけど今も
傷痕にはまだ痛みが残ってる
通り過ぎた事
忘れないように


拍手はいらない
相槌もいらない
同意されるほど
簡単ではない

傷痕をなぞり
波打つ両手は
あなたのものではなく
知らない誰か


ネオンの色を通り過ぎて
悪意のような虚しさが
忘れた頃に思い出して
言葉にすることもやめた


君は言うよ
「ここが何処だかなんてわからない」
僕は歩く
砂漠のように白く
渇いた街の中を



誰かの声に耳を塞ぐ
呆れるほどの静けさが
頭の中を駆け巡って
思い出すこともできない


そして言うよ
「ここが何処だかなんてわからない」
だけど僕は
置いていくのさたぶん
振り返ることもせずに

君は言うよ
「ここが何処だかさえもわからない」
僕は歩く
砂漠のように白く渇いた街の中を

感想

感想はありません。

「ニコル」の携帯小説

詩・短歌・俳句の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス