こっくりさんなんて6
「はぁ……何だか凄くめんどくさいはなしになってしまった…」
ヒカリは自室の隅で丸まっていた。
そして、左腕に五つのあざがあるのを確認するとまたため息をついた。
私、本当にこっくりさん達に呪われたんだ…。これからどうしよう。
あの青年のこっくりは、自分のもとへ来たら手助けをするって言ってたけど………いまいち信用できないし…。
「あぁ!もう!悩んでも仕方ない!ごはんでも食べて早く寝よっと」
私はいい香りのただよう台所に向かった。
すると、そこにはいつもの様に食事の準備をしている母がいて、こちらを向いて微笑んだ。
「ヒカリ、グッドタイミグね。ちょうど夕飯ができたところなの」
出された皿の中をのぞきこむとビーフシチューが湯気をたてていた。
「ホント?!私考え方してたらお腹すいちゃって」
「考え方……何かあったの?」
「ん……大丈夫だから気にしないで」
「そう。ヒカリがそういうなら」
そんな会話をしながら、私はビーフシチューを口に運ぶ。
なんて…美味。
カリカリ
「あら猫かしら?」
母は音がしたベランダの窓へ向かう。
どうせ母の事だ。野良猫君にビーフシチューをおすそわけするに違いない。
そんな気持ちで母を端から見ていた。
すると、
「きゃああああっ!」
「お母さん!!どうしたの?!」
母のもとへ素早くかけよると、母はベランダでぐったりとしていた。
「お母さんっ!しかっり!!」
『無断だよ』
私は声の聞こえた、ベランダの上を見た。
そこには
『はじめまして。僕はこっくりさんの【氷雅ヒョウガ】、君を不幸にするためにやって来た……使者さ』
立派なこっくりさんがいたとさ。
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