泣いた日
日に日に弱っていく姿を
なにも言わず いつものように
たとえ苦しくても 不安でも弱音を吐かなかったあなたに
なにも心配せず いつものように
愛してるなんて 考えた事もなかった
初めて弱音を聞いたのは
もう動けなくなった頃だった
痛いの もう帰りたいのと
子供のように
それでも 優しい言葉を一つ
かける事なく家へ帰っていったよ
泣いたのは 電話で聞いた時じゃない
急いで乗った電車の中でもない
あなたの顔を見た時も
涙一つ流れなかった
着慣れないスーツを着て朝早く 会場入り
たくさんの綺麗な花とキラキラした照明 そして真ん中に優しくほほ笑むあなたの写真
人がたくさんいるのに 僕は泣いてしまった
恥ずかしくてしょうがなかったけど 泣いてしまった
よく頑張ったね
僕はあなたの息子で良かったのかな
あれから一度も泣いてないよ たぶんもう泣かないだろう
あなたの生き方に 少しでも近付きたい
あなたのような 人間になりたい
だからもう 泣かないんだ
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