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アルバイトはもういやだ

[502] ごはんライス 2014-05-22投稿
アルバイトはもういやだ。がんばってもがんばっても低賃金。だんだん心と身体が壊れてくる。自殺や通り魔のことばかり考えてしまう。
とはいえ、正社員やプロ作家になるのは難しい。八方塞がりである。
オレは踏切の前に立った。電車が通り過ぎる。次の電車も通り過ぎる。人間、簡単には死ねない。
死ぬとどこに行くんだ。天国か地獄か。虚無か。地獄はやだなあ。天国も退屈そうだ。虚無は怖い。
オレは歩く。考えながら歩く。トラックにはねられそうになった。「バカヤロー死にてえのか!」赤信号だった。
オレは公園のベンチに腰をおろした。ちびっこたちは楽しそうだ。ああ。オレも小さい頃は夢と希望に燃えていたのに。今は絶望だらけだ。死にたい。死んで無になってしまいたい。もう苦しみたくない。
「先生。何してんの」
「梨花ちゃん」
勤務先の塾の生徒だ。
「たそがれてんのさ」
「へんなのー」
梨花ちゃんはオレの隣にちょこんと座った。
警官がやって来た。
「逮捕する。援助交際だな」
「ち、違いますよ」
「じゃあお前たちは親子なのか」
「違いますよ」
「じゃあ援助交際だな。逮捕する」
梨花ちゃんが手錠をかけられた。
「ええええええええ」
「梨花ちゃん。刑務所は寒いけど、くじけずにがんばるんだぞ」
「なにそれーーーー」
梨花ちゃんはパトカーに乗せられた。
「手紙書くよ」
「先生。助けてえ」
「くじけるんじゃないぞ」
「ふえーん」
パトカーは走った。
「さて……」
オレは書斎に戻り、小説を書きまくった。梨花ちゃんの分もがんばらないといけない。絶対に絶対にプロ作家になるのだ。
野良犬が不気味に吠えた。

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