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結婚生活4

[524] 青木 めぐみ 2014-08-07投稿
陽子の家の近くの喫茶店で待ち合わせし、街へ買い物に出た。

「旦那に、おねだりとかして、ちゃんと好きな物買ってもらってる?今日、お金余裕あるから何か買ってあげるよ。友達からもらったって言っておけばいいじゃん。」

陽子は、いつも俊樹に尽くしてばかりで、自分の好きな物を甘えたことなどなかったから、弘の言葉が嬉しかった。

「本当にいいの?嬉しい。高いの買ってもらおうかなぁ?」

素直に、弘に甘えられる自分が、久しぶりに新鮮で、心地好かった。

何を買ってもらおうか、街をぶらぶらしていたが、化粧品の売っているお店に入ってみた。

「陽子には、この色が似合うんじゃない?」

高校生の時には、デートで服を見立ててもらったりしたが、口紅を選んでもらって、お互いに大人になった喜びも、じわじわと湧いてきた。

店員に、口紅を塗ってもらうと、陽子は弘に微笑みかけて、
「これ似合ってる?せっかく弘君が選んでくれたし、これにしようかな?」 と言って買ってもらった。

家で、この口紅をつけずに、弘とのデートの時だけにつけようか…。そんな考えが頭に浮かんだ。

帰り際、弘は、冗談めかしてこう言った。

「今日だけ、ご褒美に、キスしてくれてもいいよ。デートしてあげたご褒美に☆」

「えっ、何言ってるの!」 陽子は、困っていたが、弘のほっぺたに軽くキスして別れた。

「じゃあ、またね。今日はありがとう。楽しかった。」

家へ帰ると、やっぱり新しい口紅をつけてみたくなった。鏡の前で、今日の出来事を思い出すと自然と表情が柔らかになっていた。

「お帰りなさい。今日は、会社どうだった?」
いつもの質問をするにも、なんだかウキウキとした気分が入り混じっているのが、可笑しかった。

[続く]

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