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哀しみの果てに1

[555] シャイン 2015-02-17投稿
東京証券取引所に立ちスポットライトを浴びても
笑顔の裏には
激しい思いが
胸を締め付けた

それは爽快とは程遠い
熱くドロドロとした気持ちだった

(見たか!この野郎)
幼少期から始まり
高校生になるまで言われ続けてきた

テメエ(僕)みたいなヤツはロクな大人になれねぇよ

中学校の頃の素行では今思えば
まだ納得できる部分は僅かだがある

…しかし…
あの由美子ちゃんとの2ヶ月だけは
どうしても許せない思い出だった

巨億の金銭を手にしても
世にいう名声を手にしても
満たされないざらついた気持ちが去就した

自分は
何をどこまで
どうしたいのか?

金銭かとも思った
名声かとも思った

…違う…

東京証券取引所から出て
ふと急に

転校して以来
20年間
決して近づくことのなかった

幸さんと由美子ちゃんの住んでいた
公団アパートに行きたくなり

新幹線に飛び乗った

グリーン車に
深く座り
目を閉じると

また
深すぎる哀しみが
押し寄せてきた

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