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哀しみの果てに2

[559] シャシン 2015-02-19投稿
新幹線を降りて
懐かしい高校生まで過ごした街の駅に着いた


転校したとはいえ
田舎ゆえ使う駅は同じだった

東京なら3つ位
区をまたぐのにな

近すぎて遠すぎた
転校したときのことを心をよぎった


今さらどうしようもないことだが

なぜ転校した後に
幸さんと由美子ちゃんの公団アパートへ行かなかったのか


また後悔の気持ちに支配される


駅に降り立つと
もう夜中で
田舎で夜中にうろつくと目立つし知り合いに会いたくはなかった


田舎で一番の高級ホテルに泊まり
次の日に
公団アパートに行こうと決めた。



次の朝

僕は僅か2ヵ月ではあるが通った小学校にまず向かった。

校門から校庭を望む


こんなに狭く小さいんだ…


由美子ちゃんと50m競争を競ったグランド…

校舎の窓から
音楽の授業なのか
生徒達の歌声が
聞こえる。


由美子ちゃんが亡くなり20年以上が過ぎた。

あの頃とは180度違う人生


足は小学校4年まで過ごした社宅に向かった

屋上からは
由美子ちゃんの住んでいた家の玄関が見える…

お互いに
ここ(社宅の屋上と由美子ちゃんの家の玄関)から手を振り合いお互い確認していた。


さぁ
公団アパートに向かおうかと思った瞬間に

身体が勝手に全力疾走を求めた。


…そっか…
僕はいつも由美子ちゃんに少しでも早く会いたくて全力疾走で
あの公団アパートに向かったんだ…


たった2ヶ月だけど毎日走った道を夢中で走った


道は狭く
トンネルは低かった

あの頃
身長はクラスで一番低かった

今は(格闘技は)現役は引退したが身体を鍛えることは怠ってない


由美子ちゃんの住んでいた公団アパートは二階の角部屋


公団アパートの前に着くと一息ついた

あの頃のように
ドキドキしてきた

居るわけのない
幸さんと由美子ちゃんに会えるかのようにドキドキしてきた…


ゆっくり
階段を上り
二階に上る

階段の一番手前が
由美子ちゃんの住んでいた部屋だ


…表札には
管理人室とかかれている…

ドアの下には
まだ生気のある花が生けてある…


僕は少し呆気にとられたが

この場所が
管理人室になり

この場所に
花があるなんて

20年以上前の(母子心中)事件とはいえ
幸さんと由美子ちゃんの事件と無関係の訳はない


僕は深呼吸し
ドアをノックしようとした時に背後で声がした


「宇野君(僕)…」

僕はビックリして
振り返った

20年以上前の僕を
この場所で
覚えている人なんて…

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