君から降る雪?
学校に行くと千景が俺に話し掛ける「今日の上原君元気ないね。ねぇ…午前の授業サボらない?進学先決まってる者同士さぁ」俺は誘いに乗り千景の上で腰を振っていた。快感…絶頂の時は葵の笑顔を思い出した。葵とセックスをしようとは思わなかった。ただ傍にいれば幸せだから…葵もキス以上の事を望んでいないのを分かっていたから、寂しくて物足りない…その物足りなさを千景の穴で埋める。何度も何度も…快感から絶頂へ…。千景とホテルから出ると、物静かに葵が俺を見つめていた。葵はゆっくりと俺に近付いて、千景を突き飛ばし「私のだから…」と俺にキスをし、そのまま手を繋いで歩いた。葵は何も言わないで俺は小さな手を握り返した。沈黙が続いて葵が口を開いた「私も…セックスがしたい」俯いているがよく分かる。葵の顔が赤くなっている事に…肩が震えている事に…そんな事言わせたい訳じゃなかった。「ごめん…」俯いていた葵が顔をあげた。「ごめん…俺、今日が始めてじゃないんだ…ごめん…」繋いでいた手が離れた…俺は心まで離れたんだと思った。離れた葵の手は優しく俺の頬を触っていた。「許さない…一生傍にいてくれないと許さないから…」葵は強かった。それ以上にどれだけ葵が俺を好きなのか分かった。こらえきれず泣いた。これは罰なのか肺炎をおこし通院する事になった。体調も良くなり病院をウロウロしていたら放射線室から出てきた葵…目が合う…病院の屋上、夕焼け、揺れる二人の影。「ごめんね。…私…私…」葵の目から次々とこぼれる涙。「まだ死にたくない…」11ヵ月後俺達の記念日に外泊の許可がおりた。2人で海へ…。静かな砂浜。葵が口を開いた「私さ、病気宣告されて、あの日死んじゃおうって思った…けど恵介君に会えたから私今生きてるよ…?ありがと…」「なぁ?葵…?」「なぁに?」「ずっと一緒にいよう」いつの間にか辺りは暗闇。寒空の月が、深い海の中に、強く強く手を繋ぎ、沈んで行く2人を照らしていた。俺達は夢を見た。「葵…?やっぱり帰ろう?今なら終電に間に合うよ」「うん」強く強く手を繋ぎ歩いた。睡魔が襲う2人は電車に乗り、出会った駅に戻った。歩きながら時にキスを交わすと、降っていた雪が少しずつ溶けて消えていった。「私もこの雪と一緒に消えちゃうのかな…」君の声と共に…
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