携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 公募投稿作品 >> トナカイは空を飛ぶ

トナカイは空を飛ぶ

[842]  ユメ  2006-01-08投稿
「初恋の人をなぁ、探してきてはくれんかぃ?」
夜の公園で遭遇した酔っ払いのじいさんはそう言った。独り身の私は寂しさもあって立ち止まってしまった。しかもこのじいさん、真っ赤なセーターを着ていて目立つのだ。
「探してって…今からですか!?」
「あったりめぇよォ。ここにホレ、写真もあるってのよ。」
じいさんはゴソゴソとポケットを探り、くしゃくしゃの紙切れを取り出した。暗くてよく見えないが、かろうじて写真だとはわかった。
「しかしですねぇ、写真だけでは…」
押しに弱い私にとって断りづらい状況だ。
「お!探してくれるのかい!そうと決まれば話は早い。今から行っとくれ。」
背中を押されて仕方なく歩き出した。全く自分勝手なじいさんだ。振り返ると、不思議なことにもうじいさんはいなかった。
街へ出るときらびやかな電飾に目がチカチカした。それで思い出した。
今日は─クリスマス・イブだ。
さっきじいさんに手渡された写真をよく見てみようと取り出す。
あっと声を上げそうになった。
そこに写っていたのは─ミヨちゃん。私の初恋の相手だった。
何だか思いがけないプレゼントをもらった気がして、気持ちがふんわり暖かくなった。
メリークリスマス、じいさん。

感想

  • 225: ぉもしろぃと思ぃました◎ [2011-01-16]
  • 576: わー!楽しいお話!私も、こんなお話がかけたらな〜!絶対的にOKだと思いました!これからも、がんばってください!では。 [2011-01-16]
  • 4623: すごく素敵(^▽^○)クリスマスのロマンティックなイメージがわいてきました [2011-01-16]

「 ユメ 」の携帯小説

公募投稿作品の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス