いきり立つ悠斗の声が頭に響きこめかみを押さえた。 「大体お前名刺もないのにどうやって来たんだ...
迷惑そうに煙草に火をつけ悠斗を見る夢路。 「困るんだよねぇ、営業時間守らず来る客って」 「...
悠斗が住む隣町にそのビルはあった。住所は五階立ての丁度真ん中になっている。階段を上り三階まで行...
煮だつ鍋にカレー粉を入れお玉でかき混ぜた。悠斗はなかなか溶けない粒を見つめたまま、夕方に出会っ...
主婦が行き交う商店街を右手に買い物袋、左肩に学生鞄をかけながら歩く悠斗。 少し前までは恥ずか...
15歳の夏、中学最後の大会。悠斗が投手、田上が捕手だった。 ベスト3に入るのは確実だった。練...
ずっと小さい頃、学校の遠足で有名な画家の展覧会に行った事があった。もちろんその画家が誰だったか...
宙を見つめたまま田上は何か考えているようだった。 「悠斗……今日の放課後空いてるか?」 「...
夕陽に染まる保健室。悠斗の前には疲れ果て眠る田上がいる。 一体田上に何があったのだろうか。取...
休み時間に入り、悠斗は教室を出て行った田上を追いかけ屋上に向かった。 何かあると屋上で休む。...