「ちょっと待って!僕にはそんな趣味は・・!」 言うなり、その唇が塞がれる。 時雨にとっては、そ...
花音と初めて出会ったのは、公園のベンチで雨に打たれていた時だった。 六月の冷たい雨が制服を濡らし...
かつて、魔族と神が二分されていた頃、争いと復讐が繰り返されていた。 争いは悪化し、やがては魔王と...
柔らかな木漏れ日と、薔薇の香りに、アルファリアの瞼がゆっくりと上がる。 酷い頭痛に、こめかみを押...
魔王の生贄として、村の若い娘が荷台に乗せられて、砂漠の中を進むんでいく。 今までも、何度も見送り...
教室は紅蓮の炎に焼かれていた。 鞭が掠めた頬の傷を拭った花音は、不敵な笑みを浮かべた。 残酷な...
「やだ!こんな場所で」 時雨は授業中に旧校舎にいた。 花音に呼び出しされたからだ。 花音は白...
花音は底無しに優しい。 美しく、気高く、凛々しい。 だけど夜になれば僕の身体を夢中で貪る。 ...
若草の香りが胸を満たした。 鳥のさえずりと、包み込むような太陽の日差し。 満たされた気がした。...
ミスリル。それは神が地上の民に与えし万物を司る力。 カルディア王国は、その力の均衡を保つ事で、戦...