「で、上手くいったの?」 紅は興味深々妙に詰め寄る。 妙は黙って頷きさらに顔を赤らめた...
連二郎の腕はさらに強く紅を抱きしめる。 「だって妙は?」 連二郎は小さくため息を付き紅...
橋の向こうは通称どぶ板通り。無法遅滞でよく堀に死体が浮かぶときは大体が向こうの人間だ。お金の無い日...
紅の目は自然と妙を追っていた。 そういえば以前に比べ妙が綺麗になった気がする。 頬はうっす...
「女は自分に子が宿ったら産むって思うものだと婆が言ってた。私の母親は身体が弱くて子供は無理だと言わ...
そんな紅の独り言を連二郎は耳にした。 「なに、らしくなく考えてんだよ。ここは遊郭だしお前は主...
「あやめ姉さん、何か心配事でもあるの? なんだか元気ないけど…」 あやめは紅を見て笑った。 ...
遠くに「紅華楼」の明かりが見える。 「綺麗よね。あの明かりは消してはいけない」 紅は小...
あまりに率直に用件を切り出したので山柴組の親分は笑った。 「嬢ちゃん。あんた駆け引きとか根回...
紅は二人の顔を見て笑った。 「大丈夫かい?」 あやめが駆け寄り紅の身体に手をかける。 ...