雅也がいた。 暗闇のなか、床に倒れて天井を見上げて。 信じられない程の血が辺りを汚し、鉄...
アズサは、笑った。 それは低い声から甲高く耳障りな声になり…暗闇を切り裂いた。 「アズサ…」...
天使さま 天使さま いらっしゃいましたらこの指に宿り、おろかなる我らを導きたまえ 天...
「香月、二階いこっか」 アズサに顔を照らされ、眩しさに顔をしかめる。 「階段探そうか…」 暗闇...
血飛沫のなかに佇んで…僕はぼんやりしていた。体中を染め上げた血液は温かくて、ねっとりと僕にへばり...
苺の小さなプリントがなされた布。 パステルカラーの水色とビビットな苺の赤の取り合わせは、今時の中学...
ほの暗い街灯が一本、廃病院から少し離れた場所にある。 回りに民家はなく、鉄鋼工場と製紙工場に挟まれ...
「なぁに赤くなってんのよ〜」 アズサはニヤついて香月の腕を引っ張る。 「鬼編集長の癖に〜可愛い...
上杉雅也はアズサの強引な誘いに嫌な顔ひとつせずにニコッと笑った。 天野亮は「マジかよ…」と嫌そうに...
「私達だけであそこ行くのは…やばくない?さすがに」 午後6時。 二人はアズサの家でミーティングして...