誰ひとりとして、 自分の存在を否定する子供たちは、もう、 その施設にはいなかった。 自分...
その日から、 りらはみんなの仲間入りとなった。 言葉を話せなくても、 うたを歌い出せば、...
「それでは、今日読み聞かせをがんばったみんなに、 歌のプレゼントです。」 大資が大きな声で...
大資が、 「今度、施設の中で、絵本の『読み聞かせ大会』をしますよ。」 と話した時、 塚本は...
それはまるで、 りらの歌の世界、 こころの願い、 そのもののようであった。 歌いながら...
もっと、歌詞を教えてやらなくちゃいけないな、 塚本の心にはいつもそのような思いがあった。 ...
りらは、少しずつ表情を増していった。 始め、遠くから眺めていた、施設の他の子供たちの動き...
そんな中、大資の読む絵本や本の内容は、 あからさま、というほど、みなしご達の話だった。 赤...
大資の絵本の読み聞かせは、始め、 一人二人の子供をむりやり連れてきては座らせ、 聞かせるという...
彼はほとんど、読み書きが小学生から中学1年生レベルまでしかなかったのが、 奇跡的に癒されて、 ...