乳白色の朝霧が辺りを覆い、濃い靄は太陽の光すら拒絶する。 あおかぜは現在“旧”ハワイ諸島周辺にあ...
「行ったか」 遥か彼方に飛び去っていくあおかぜを見ながら土田は呟いた。 もう止められない。...
「アキも一緒に!?」 ハルは身を乗り出して狩野隊長に聞き直す。 「ああ、彼の月軍機動兵...
「それで、何かわかったのかしら?」 起動しないものの、修理が完了し、あおかぜに積み込まれてい...
「アメリカへ?」 「らしいぜ。幹部共が話してるのを聞いたんだからな」 あおかぜ艦内はちょっ...
「准将の事、どう思う?」 帰路。滝川は隣を歩く荒木に尋ねた。 「太平洋横断ですか?最善...
「アメリカ!」 寝耳に水も良い所だった。与えられた任務はそれだけのインパクトを持っていた。...
「…名前を教えてもらおうか」 「アキです」 「アキ……?日系か?階級は何だ」 「知りませ...
「何を言いだすかと思えば…面白い娘だ」 土田の口調は柔かだったが、その相貌は全く笑っていなか...
「御苦労だったな。恵美君。む、荒木も一緒か。ま、掛けたまえ」 会議室に入るとすぐに聞き慣れた...