晴信が家督を継ぐ前、先代の信虎は戦好きの性格から領民を苦しめていた。 それを見兼ねた晴信は家...
-同日、夜- 晴信は縁側に座して月を見ていた。我が子に刺客を放ったこの男は、酒を飲みながら何...
無事に春日山城へたどり着いた三郎。 半次郎があらかじめ連絡していたこともあり、景虎とは円滑に...
「申し遅れましたが、私は武田三郎といいます。 …宜しければ、貴女のお名前を教えていただけません...
「行くぞ」 半次郎の死に何の感傷もない女は、そういって歩きだした。だが、三郎は半次郎から離れよ...
半次郎は刀を鞘におさめると、女に差し出すようにして地に置いた。 「……貴女に頼みがある、…この...
半次郎が構えた剣先の闇、そこに浮かぶ白い人影。その姿がはっきりとした時、半次郎は自分の目を疑った...
「半次郎殿っ!」 戦闘の終わりを感じた三郎は、耐え兼ねて駆け出していた。 待っているのは敵...
越後との国境までたどり着いた三郎と半次郎であったが、二人は目的地を目前にして窮地に追い込まれて...
まさに神業であった。その太刀筋は正確にして神速、相手の鎧を貫くほどに研ぎ澄まされた威力を宿してい...