武藤は杏飴をしゃぶりながら、境内の階段からお祭りを物思いに沈みながら、ぼんやり眺めていた。 隣に...
翁がいなくなったあとのわたしは、だんだんと薄汚れていった。翁からもらった髪飾りも煤けて、黒ずんで立...
わたしはずっとここにいた 最初は若い一組の夫婦で、シアワセそうに畑を耕していた。 そして子...
圭織は武藤の式神の一人だ本性は金色の毛並みの猫又で、人間になると金髪の美少年になる。 圭織...
圭織は美しく妖艶な少年だ金を溶かして細く梳いたような髪に深いアッシュブルーの瞳。美しく整った中性的...
「…ちょっとうちに電話してくる」 まだざわめく写真を握り締めたまま、すっ、と立ち上がると、武藤は...
「え!?ちょ、写真!」 「うわーはい」 室戸はちょっとまだ情けない顔で写真を渡す。 それを奪う...
「えーどこがぁ?組み合わせとかけっこうしっかりしてるじゃん。」 「組み合わせだけならね」「…ど...
ちょっとしたあとに、武藤はため息をついた。 そうだ、自分は馬鹿な後輩を救うためではなく、呪咀の...
亜紗子は顔をちょっと歪めながら苦笑した。 ふと脇にあった冷房のリモコンを見ると、気温はドライで...