夏目亜紗子。大学二年生の十九歳。日本文学専攻。 つい最近、街中でかっこいいおじ様に声をかけられて一...
「君みたいな素人ができるんなら僕みたいなお祓い屋なんていらないよ。」 『ごごごめんさい見捨てない...
「古賀くんが?君の生徒にかい?ちょっと待って。だがなぜ、君にも憑いているのか説明がつかないよ」 ...
しばらく入ろうか入るまいか躊躇した後、足に力を入れ、ドアノブに手を伸ばしたそのとき、いきなり扉が開...
呪咀をかけたのは古賀晴紀武藤の一年先輩で、サークル仲間。細身で、色を抜きすぎず、かといって濃すぎな...
『…先輩、やっぱ解っちゃうんですね』 桜杯はため息混じりの苦笑を口調に刻み込んだ。 「それはそ...
夏目亜佐子は夜毎ある怪奇現象に悩まされていた。 友達に話しても信じてくれない。笑われるか、真剣に精...
「桜杯くん?うわぁ何年ぶりかなぁ」 桜杯は武藤の大学の後輩だひさしぶりの電話越しの会合に胸が踊る...
武藤秀は髭面の顎を撫でながら、近くにあった収穫するために持ってきた古い鉄鋏と古ぼけてあちこち穴のあ...
とある県境の寂れた山沿いの村に、その事務所はあった。 事務所といっても、元は無人の民家で、築4...