｢ここを､ﾍﾞｰｽｷｬﾝﾌﾟをしましょう｣ ｢ﾍﾞｰｽｷｬﾝﾌﾟ?｣ ｢つまり､炎の持ち主が､もう一人...
医師は私に､白い粉薬を処方し､｢まぁひとまず様子を見ましょう｣と言った｡ 病院は広々として緑が豊...
夫が帰ると､彼に椅子を勧め､私はその正面に座った｡ ｢話って?｣ 夫はおびえている｡しかし､私...
｢もしもし､もしもし｣ 警官に肩を叩かれ､振り向くと､ ｢もし良ろしかったら､事故が起こったと...
ﾌｧﾐﾚｽを出ると､蒸し暑い空気に取り囲まれた｡ ｢暑い!｣ 私がいうと､梁は ｢僕の街は内...
とりあえず一度､皆がいる場所へ戻ることにした｡ ﾗﾝｸﾙを出て､波打ち際の方を見やると､にぎやか...
車の中は､むっとする暑さだった｡ 男は､じっと私を見つめている｡気持ちが悪い､と思ったが､男の様...
いつしか､それは私を取り巻くようになっていた｡ 黄色い炎と､青い炎｡ 私にしか見えないらしい｡...
僕らは､京葉線東京駅の､地下深いﾎｰﾑで､やつを待っている｡ ｢いよいよあいつ､来るな｣ 友人...
