「ウサお腹空かないか?」 庄司は台所から背を向けたまま話し掛けて来る。 「うん,ちょっと」 「...
「ー…」 自分でも肩の力が抜けるのを感じ,この上ない安堵感に包まれた。 -ワスレテイタキオク...
暫くして,ヒタヒタと足音が戻って来た。 庄司が寝室から掛け物を持って来たようだ。 「んしょっと…...
時計は2時を迎えようとしていた。 「あ!"テヒ"予約すんの忘れたー…もう,ウサ待たせてると思って材...
私の脳裏で卑屈な声が聞こえた。庄司はあの屈託ない笑顔で見つめて来る。 「だから,絶対に本気で笑わせ...
「幸太,行くよ」 庄司は勢いよく焼酎を飲み干した。 「じゃあな,東條。幸太,代行も頼む」 「あ...
「東條…」 庄司は私の方を見ないまま,低い声を出した。 自称?通称?ミナミ-本名東條早保は庄司と...
「ウサさんはいま,仕事何してるの?」 「先月末まで看護師をしていました」 「そうなんだー。ここに...
大将の店に着いた時には21時を回っていた。 20時に泉町のバスターミナルに着いてから,なかなかタク...
コンコン。 「桐谷先生,ご無沙汰しております。」 僕のノックの音に振り向きながら,ロマンスグレー...