死の運命を知りつつ、1年前の俺と今の俺、何が違う。 今の俺に、死にゆく事を止める事のできない俺が...
あの時、俺が神谷を呼び出したりしなければ、神谷が死んだりする事はなかったのに。 そう、俺はずっと...
「もしもし…。大場、聡くん…いますか…?」 高校の同級生の一周忌の墓参りから帰り、アパートの部屋...
藍の言葉に俺が二の句を次げないでいると、藍は少し大きな声で言った。 「私、一真には出会えて良かっ...
どうやら、自分が思っていたよりも事は大きいようだ。 俺は書類記入を済ませ、受付で聞いた病室に向か...
中から出てきた学生らしい男が、俺に声をかけた。 「阿藤さんに用ですか?」 阿藤というのは、藍の...
何かが……何かがまだ、終わらずに浮いたままの気がする。地に着いていない。 何かが見えないままだ。...
ふつふつと、込み上げるものがあった。 それは、以前に過ごした時間があるからかもしれない。だが、そ...
それから、堰を切ったように俺は、藍と会わなくなってからの事を話した。デザインの勉強で行き詰まった時...
「なんか…なんでか会わなくなっちゃったよね、私たち」 そう言って、藍は席に着いた。 藍とは...